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Ondine -ラヴェルの主題による-
そう、 私は
機械仕掛けの 水の精(オンディーヌ)
窓辺を かすめ打つ
月の光を 照り返す 波を 纏いて 物想う
散りばめる 星の夜空
眠る湖(うみ)の 城の女主人(ぬし)
聴いておくれ! 私の唄!
さざ波が 戯るだけ
どこから 迷い込んだのか
月明かりだけを 頼りに
こんな暗い 水辺を
彷徨い歩く 1人の青年
彼 振り返る
私の唄が 聴こえたのか
聞いてよ!聞いて!
木の枝で 水面を叩く
睡蓮(はす)をかき分ける 波間から
姿現す 彼 目を見張る
囁き唄う 麗しき 湖(うみ)の唄
誘い(いざない)唄う 彼にせがむ
ねぇ この湖(うみ)の
王になって!
けれど彼は 答える
「わたしは 人間(ひと)を 愛する身」だと
刹那の恋 涙に 消えてゆく……
嘘の涙拭い
金切り嗤う
しらじら流れる
止まぬ雨音
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