昔 遠い昔
夢をみていた
下らない夢
ありふれた夢
何の根拠もない
都合のいい 夢
いつかきっと
誰かが救ってくれる
自分に意味を与え
価値をくれる
この錆びついた苦しみを
理解し 浄化してくれる
夢を信じ 待ちわびた
何も知らなかった あの頃
時は流れ
遂に夢は現実になった
と思った
馬鹿な子ども
誰が救ってくれようか
自分で自分を諦めたというのに
空っぽだというのに
自分の中身を
他人に詰めて貰おうだなんて
だからきっと
夢を見た
遠い昔 甘い夢を
まだ気づいていなかった
あの頃のほうが
幸せだったのかもしれない
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