貧しい生活の中でも

それでも私は幸せだった

温かい家と

暖かい両親

笑顔の絶えない毎日

だけど街は恐れに包まれ

焼け腐った臭いと　密かに

募る不安と

積もる恐怖

吸血鬼(ヴァンパイア)が住んでいるのよ

神は見逃してくれなかった

目の前は黒に染めらた

私の頭は真っ白になり

現実を受け入れられない

父さん母さんはもういない

干乾びた　ただの皮…

『死ニタイノ？』と問う夢の私

独りは何よりも寂しいよ

『消エタイノ？』と聞く夢の私

ここには私しかいない
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
涙しか出ない

誰か、助ケテ

激しい雨の降る音がする

外で立たずむ私の前に

1人の少年が

私の運命を

闇から引き出してくれた

2人一緒にいる日々は

幸せ以外の何でもない

あなたがそこに

いてくれるなら

もう涙は見せないよ

初めて人を好きになりました

生きる理由(いみ)を与えてくれました

また泣いてしまいそうな程

あなたを愛しました

だけど突然のようにあなたは

優しい笑顔でこう言った

「君とはこれ以上いられない

僕は罪を犯したから」

あれから何日が経ったのか

彼は帰って来なくなった

祈っても祈っても

想いは届かないままで

あの時は決して戻らない

私は彼が最後に残した

サヨナラと許シテの意味(わけ)も知らずに

また独り泣きながらの日々を

あなたを待って生きているの

願いは叶わないかもしれない

でも願わずにはいられないよ

私に全てをくれたから

愛しいあなたに逢いたいの

お願い

何処かで

生きていますように。