はるがころされた
ふゆがおわらない
あきがのみこまれ
なつだけがひとり
たたかっている

あきがすべてをうらぎり
なつはにげだし
はるがまたうまれ
ふゆにはだれもいなくなった

なつが
はるをそだて
ふゆをまもり
あきがみのった
ふゆがうばった
あきのきぼうを
なつがかくし
はるはだまりこんだ


きせつがすべてをうらみ
きせつがすべてをこわし
きせつがすべてをうんだ

はるがいう
とけてきえるふゆに
やくそくを
ほうじゅんなあきに
かんしゃをささげ
ひじょうななつには
けしてくっしない

ふゆがいう
ふとりすぎたあきに
せいさいを
わがままななつから
じゆうをうばい
やさしいはるには
うつくしさをあたえる

あきがいう
おとろえゆくなつに
あわれみを
すべてをうばうはるを
しんりゃくし
みをかくすふゆには
えいえんのゆめをみせよう

しきをくりかえす
しきがくりさえられる
しきののぞむままに
すべてはまわっていく


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春が殺された
冬が終わらない
秋が飲み込まれ
夏だけが独り
戦っている
秋が全てを裏切り
夏は逃げ出し
春がまた生まれ
冬には誰もいなくなった

夏が
春を育て
冬を守り
秋が実った

冬が奪った
秋の希望を
夏が隠し
春は黙り込んだ


季節が全てを恨み
季節が全てを壊し
季節が全てを生んだ

春が言う
融けて消える冬に
約束を
豊潤な秋に
感謝を捧げ
非常な夏には消して屈しない


冬が言う
太りすぎた秋に
制裁を
我侭な夏から
自由を奪い
優しい春には
美しさを与える

秋が言う
衰え逝く夏に
哀れみを
全てを奪う春を
侵略し
身を隠す冬に
永遠の夢を見せよう

四季を繰り返す
死期が繰り返される
シキが望むままに
全てはまわっていく





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巡る季節の歌

それぞれの季節の関係がめちゃくちゃなのは仕様です。
不安定な上にこそ秩序と安定がある……

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