halP様「恋するアプリ」を聴いていて、浮かんで来てしまったストーリーです。
「こんなイメージ思い浮かべた人もいるんだ」くらいに受け取って下さると幸いです。







――――――― 六章

 そして、白い静寂の季節が来て。
 虚ろな表情の君が、世界から目を背けて、…僕を立ち上げてくれた。

『…KAITO、歌ってくれる…?』

 きっとその姿は、僕に出会う前の君と同じ。
 そんな君が望んだ歌は、予想通り、君のはじめて作った歌。

 君が僕の為に作ってくれた歌。


♪君が教えてくれた 青い蒼い 空を見ること 
 君が伝えてくれた 私の世界 広いってこと
 本当に感謝しているのに ありがとうも言えなくて
 そばにいる そんなことしか出来なくて ごめんね…♪


 何かを伝えることが出来るのは、本当は、すごく奇跡的なことだったんだ。

 久し振りの歌声に数多の思いを詰め込んだ。
 …0と1への変換を超えて、もしも、かすかでも、届くなら…。 

[マスター。お願い、気付いて…っ]

 辛さに瞳を曇らせないで。
 繰り返し繰り返し、歌に込めた思いを、見失わないで。
 だって、…君は、君の想う人と同じ世界に居るでしょう?

 ずっとそばにいて、君の望み通りの歌を歌うよ。
 他には本当に何も出来ないけれど…。
 ただ、せめて、この歌声があることを忘れないでいて。

 君の為に、君の想いが伝わるように、上手く歌うから。

 きっとそれが、僕が感情を組み込まれて生まれ、君に望まれてここへ来て、…君を想った意味だと思うから。

 君と僕とを繋ぐカラフルロード。
 僕のこの声、この歌、…この心。
 せめて今だけでも良いから、届けて下さい。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

【妄想小説】恋するアプリ 六章

大好きな人の為に出来ること。

…続きます。

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投稿日:2009/07/19 14:20:30

文字数:724文字

カテゴリ:小説

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