野良猫の細い声に 泣いたことなんてなかった
私を通さない改札に ほっとしたりしなかった
路地を抜け 朝6時 星が眠りについた頃
私ははじめて私に出会う
白い花 ガスの音 小鳥の羽がやってくる
霞む山 目が慣れたなら
あなたがいない 夢からさめる
澄んだ風 朝の音 冷える足先ひっこめる
ぬるい布団 気がついたなら
はじめまして 独りの私
寒空の白い息に 生きてる心地を感じた
私を許さない言い訳に 理由をもらう気がした
夜を耐え 朝6時 月が静かに引いた頃
私はようやく私を離す
薄い空 人の色 私の暮らしがやってくる
覗く陽に 目が慣れたなら
あなたがいない 私が沈む
濁る声 振り返る まだ駄目だった泣かないで
閉じた窓 伸びをしたなら
はじめまして 独りの私
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