ちゃんとここまで来た理由をあなたはきっと知らないでしょう
私は隠します 器用にくるんで こっそりと懐に

さあ息を吸い込んであなたの名前を呼んでみます
返事はあるかしら
期待してはいます よろしいでしょうか

でも希望は抱かないのです 

落ちるのが怖いのですよ
つっかえ棒などないのですから転がって行ってしまいそうですもの
落ちてみるのも一興、とあなたは笑うのでしょうね



あら、しとしとと降るの6月 時雨月
傘を忘れておりませんか 
きっとそうだろうと思いました
私が今すぐ参りましょう

昔、薄情者だと言われたことをきちんと覚えているのです

あ、御免なさい この傘は子ども用
私は走って帰りますので後からごゆるりきてくださいまし
大丈夫 私は子どもです ちょっとやそっとでは傷つかないのですよ
ぽつぽつ雫はくすぐったいだけですから

走る走る


だってあなたと並んで歩く気はないのです
そんなこと一縷だって望んではいないのです
嗚呼 滅相もない



ただ屋根の下で震えながらあなたを待っている時
私の傘が近づいてくる様を眺めて
あなたがそっと私の濡れた頭に手をやる瞬間


私はもう何も要らないのです



ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

blueblueblue

少々古傷が痛みますね。いてて。

閲覧数:39

投稿日:2010/07/20 01:14:05

文字数:515文字

カテゴリ:歌詞

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