囁き
夜通し 小さな声で囁いた
まるで夢物語
君は笑ってくれた
ただ優しく 笑ってくれた
やがては 気付く日が来るけど
それまではいいだろう?
走ることに意味がある
そうなんだ きっとたぶんね
星が叩く窓が
震えて泣いている
ふっと無言になって
僕は俯く
君は笑う まるで夢物語
大きな声では言えないから
せめて囁くように
君は微笑んで聞いてくれる
だから 小さな小さな声で
両手でも数えられないけれど
僕はその日が来ることを知っている
地球が止まるかのような
それでいて なんてことない日
夜通し 膝を抱き寄せ泣いてた
まるで夢物語
僕は涙と半笑い
ただ震えて ひとりきりで
星が積もる音が
窓の外に満ちて
いつか君を思い出し
僕は俯く
君は笑う まるで夢物語
大きな声では言えないから
せめて囁くように
君は微笑んで聞いてくれる
だから 小さな小さな声で
僕も笑う まるで夢物語
絞り出すようなその言葉を
まるで囁くように
何度でも僕は繰り返す
ひとり 小さな小さな声で
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