リリィは悩んでいた。
それは先月のバレンタインデーのこと。
一応普段から世話になっているという礼としてキヨテルにチョコを渡したのだ。
「おや、リリィさんからチョコをもらえるとは・・・」
「なんだよ、ガサツなアタシのチョコなんかいやなのかよ」
「そんなことないですよ。とても嬉しいです。ついこの間レン君がリンちゃんから貰えないかもしれないとか言っていたので僕も貰えないかもしれないとか考えていたんです。リリィさんに本命の男性が出来たのかもしれないと考えると夜もろくに眠れなかったのですが。まあ、後をつけていても休日どこかに恋人候補とふたりっきりで出かけるなどということはなかったようでしたし。本当にありがとうございますリリィさん。お返しは必ずしますので楽しみに待っていてください。フフフ・・・」
「なんだか今おかしな一言があった気がするけど気のせいか?」
リリィはうーんと唸っていた。
「リリィちゃんどうしたの?」
「あ、リン」
リリィが顔をあげると購買の袋を下げたリンが立っていた。
「珍しいね。お昼休みになったらすぐにお弁当にがっつくリリィちゃんが何もしないでいるなんて。なんか悩んでんの?」
「すぐにがっつくは余計だよ。アタシが食いしん坊みたいじゃん」
「いただきまーす」
「聞け!」
リリィに構わずリンはオレンジパンを食べ始めた。
これ以上の抗議を諦め、リリィはお弁当の蓋をあけた。
ちなみにリリィの毎日のお弁当は朝の登校途中キヨテルに手渡される。つまりは、
「今日もキヨテル先生の愛の手作り弁当?」
リンが首を傾げながら聞いた。
「はあ!?ゴホゴホ・・・いきなりなんだよ」
「しかしまあ、先生もすごいよねえ。毎朝2人分のお弁当をつくるなんてさ」
「あたしにも作ってほしんだけど!:
「グミ!いきなりビックリさせんなよ!」
リリィの背後からグミが抱き付いたのだ。
「てかさてかさ、キヨテル先生あたしも一緒に住んでるのにいっつもリリィと自分の分しか作んないんだよ!?あたしにもつくってくれてもよくない!?」
「しょうがないよ。キヨテル先生はリリィにぞっこんなんだから」
「ぶー。がくぽはなんだかんだ言って毎日ルカ先輩に作ってもらってるし、あたしだけだよ?毎日コンビニ弁当なの」
「自分で作ればいいじゃん・」
「それができれば苦労はしない!」
といってグミはドスンとリリィの隣に腰を下ろした。
「それでさ」
「何?リン」
「リリィは一体何を悩んでたの?」
「・・・それがさ」
ごくっと息を飲むリンとグミ。
「き、キヨテルからのホワイトデーのお返しのことなの・・・!」
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