春霞の月照らす貴方の腕の中で
君は脆い娼婦から男になった
愛し愛される身体は
明日に続かない幻
互いに向き合って
己の宿命を話す
親の仇落日の種
再興への道すべ
きみはその細い躯に
重過ぎる枷を抱いて
今花咲く夏菖蒲
重い沼を抜けて
捲土重来を願い
君は慣れぬ刃を握る
愛し愛される身体は
明日へと繋ぐ誓い
貴方は叫びを受け取る
哀れみではない眼差しで
時を進めるが為の試練
共にいくぞと言った
貴方はその背中に
僕の背中を預けて
今咲き初める花菖蒲
初夏の天を貫いて
清々粛と意気を込めて
貴方は慣れた刀を持つ
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