Synchro NiGHT -2-
「ねえ、ユナ知ってる?彗星が来るんだってさ」
私の隣でくつろいでいた、りおんがそう言ってきた。
「うん?初めて聞いた、何て彗星?」
彗星とかが来るのなら、ルリナさんが教えてくれるのにな、とか思いながら聞いてみた。
「アニソン彗星なんだって!」
「アイソン彗星ですよ、りおん」
ゆかりが訂正した。
うん、さすがにアニソンは無いと思うよ。
というか、みんな知ってて私が知らないのがくやしい。
「ゆかりんまで、何で知ってるのー!?」
「秘密です、やっとユナに勝てました」
「詳しく教えてもらっていい?」
彗星の話で盛り上がっていると、先生がやってきた。
もうそんな時間だったのか。
「ホームルームはじめるぞー」
その時、ドアがガラッと開いた。
まさか転校生なのかな、どんな子だろう。
入ってきたのは、髪の長い女の子だった。
この学校で黒い髪は珍しいが、彼女の髪は混じりけのない、黒だった。
「ここで教育研修をすることになった、アイです、よろしくおねがいします」
なんというか、高校生の私よりも歳が下なんじゃないかな、なんて思ってしまった。
身長的には負けてるけれど。
研修生ということは、大学生なのかな。
「アイさんは、理科と美術を持つことになる…」
先生の長い話が始まる。
アイさんはというと、話長くてつまんないねっていうような目で、私を見ていた。
その目は好奇心に満ちているようで、私は少し恥ずかしかった。
休み時間、リノさんのところに行くと、リンさんと話してる途中のようだった。
それでも私を見つけると、「おいで」って言ってくれた。
「聞いて聞いて、ミツキのクラスに転校生!!」
「私たちのところにも来たよね!?何でほかのクラスから先に言うの、リノ」
「あはは、ごめんごめん、つい」
どうやら、二人の転校生。
多すぎじゃないのかな。
「その二人は、兄弟か何かですか?」
「ううん、私たちのクラスにはオウカって子…白髪で赤いリボンをしてる子が来たの」
「ミツキのところには、ルアが来たんだよ!ユナも知ってるでしょ?」
ルアさんがこの学校に?
それはほんと楽しそうだ、もう一人は聞いたこともないけれど。
「はい、私のところには、研修生の先生がひとり…」
「新学期でもないのにね。まあ、すぐ慣れるよ」
そのときふと、視線を感じて振り返る。
羽のようなものがチラッと見えた。
「アイさんですか?」
「あ、ユナさん、分かったのね」
「あなたは、何者ですか?」
「そうねぇ、あなたと早く仲良くなりたいなーとか思ってる、ただの中学生よ」
そのままどこかに行ってしまった。
今、中学生って言わなかった?
じゃあ、何でここに「研修生」としているの?
「リノさん…」
「ん、あの子も転校生?」
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