大好きな歌手が亡くなった。

飛行機の墜落事故。
離陸前の安全点検を怠ったらしい。

連日ニュースでは乗員乗客の安否が伝えられ、
映し出される機体の残骸や救助の様子に毎度喉の奥がひゅっと冷たくなるのがわかった。

そこに彼が乗っていたという知らせは一気に国中を不安にさせ、その夏いちばんの衝撃を与えた。

『彼ならきっと助かる』『誤報であってほしい』
『まだまだこれから活躍するスターなんだ』

誰もがそう思っていた。

けれどそんな気持ちを神様は簡単に裏切り、
彼を助けなかった。


私は彼の訃報にただ立ち尽くし、
頭の中でなんでどうしてと問い続けるしかできない。



一際太陽の光が眩しかったあの日。




私が、


私が彼を救えたはずなのに。

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さよなら涙ちゃん ①

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投稿日:2023/05/06 21:59:49

文字数:328文字

カテゴリ:小説

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