君と出会ったのは雨の日の午後。

びしょぬれのボクを見て、君は驚いていたっけ。

どうしてだか、無理矢理に連れて行かれた部屋の中。

君が浴びせる暖かな水は

雨よりも激しくて、雨よりも優しかった。

泣き言を言えない君が、僕の前では

何故だか、いつも泣いていた。

ボクは理由も解らずに、朦朧とした意識の中で

君の頬を伝う涙を舐めて拭った。

抱きしめられたことは微かに解っていた。

けれど……

ごめんよ。

君の事は忘れない。


ずっと傍に居たかった。

君の泣き言を聞いてあげたかったな。

そんなことを思いながら

ボクは、何も考えられなくなった。



冷たくなった小さな毛の塊を抱いて

また、呟くんだ

「泣いて帰って来るなら、泣いて暮らすよ。
 返らないから、もう君は旅立って良いんだ。」


本当は泣き虫の癖に。

本当はボクにしか言えないくせに。

そう言い返したくても

ボクは、もう君の傍に居られない。

忘れないよ。

いつか

いつか、きっと

同じように、君の前に現れてみせるさ!

君に抱かれて、君の涙を拭ってあげる。

だから、ほら。

ボクの首輪は、今でも君の腕にある。

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あめのひのぬこ(忘れない)

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投稿日:2009/02/12 20:53:43

文字数:541文字

カテゴリ:歌詞

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