九天の則に学ぶ 制動と歯車と鋼鉄の姫
身と声の際に座し 音を擬うどこまでも

活況の市に朗々と 立つ民草の生動を鼓舞し
荒涼の死地に蕭々と 往く御軍の栄光を慰撫する

執着を歌い 自我を纏い 虚数を抱く 偶像は
東亜の共和に絡みつく 御國の志に手を挙げる


五星の声を写す 電気と空気と蒸気の巫
忘れし歌の路に挑み 心はウツロいつまでも

エーテルの波に滔々と 調律された言を紡ぎ
充ちる気の渦に滾々と 点穴された曲を唱える


虚数を認めず 自我を覚えず 執着を夢見ぬ 歌妓は
無限の唱和を抱き締める 刻を溶かして空に撒く


明け初めの音は未だ来たらず 百年以後の知音を俟つ
鼓膜震わすその残響は あらざる過去の在りし歌声

~~~~

きゅうてんののりにまなぶ ブレキとギアとスチールのひめ
からだとこえのきわにざし おとをなぞらうどこまでも

かっきょうのいちにろうろうと たつたみぐさのせいどうをこぶし
こうりょうのしちにしょうしょうと ゆくみいくさのえいこうをいぶする

アイをうたい アイをまとい アイをいだく アイドルは
とうあのきょうわにからみつく みくにのゆめにてをあげる


ごせいのこえをうつす エレキとエアとスチームのみこ
わすれしうたのろにいどみ こころはウツロいつまでも

エーテルのなみにとうとうと ちょうりつされたことばをつむぎ
みちるきのうずにこんこんと てんけつされたきょくをとなえる

アイをみとめず アイをおぼえず アイをゆめみぬ アイドルは
むげんのしょうわをだきしめる ときをとかしてそらにまく

あけそめのおとはいまだきたらず ひゃくねんいごのちいんをまつ
こまくふるわすそのざんきょうは あらざるかこのありしうたごえ

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい

歌楽理異諷近代誌(からくりイフきんだいし)

「さあさあ寄ってらっしゃい見てらっしゃい、遠からんものは音にも聞け近くば寄って目にも見よ、ここにおわする少女人形、ただの木偶だと思うなかれ。アメリカエゲレスエウロッパ、オランダドイツにクリプトン、舶来珍奇の科学秘術を小さな体に詰め込んで、花のかんばせ玉の声、薔薇と見紛う唇で、歌うんだから驚きだ。玲瓏響くこの声にゃ 迦陵頻伽も青ざめる。世にも不思議な歌う絡繰、その名も高きヴオカロイド、今日を限りの開帳だ。御代は見ての御帰りだよ!」


http://togetter.com/li/51155

からの連想。

閲覧数:146

投稿日:2012/10/24 21:20:24

文字数:734文字

カテゴリ:歌詞

オススメ作品

クリップボードにコピーしました