君が植えた球根は、
今も水あげているよ。
二人変わったんだ。
力無く、そう愛想笑いで。
傷つく勇気もないから。
虚勢をはると楽なんだ。
満たされるココロ、もう無いから。
僕はいつも顔に作り笑い。
刻んでゆく時間の中で。
つぶやいた「独りにも慣れたさ」。
遡る記憶の中、
愛してたのは、ただ「自分」だった。
僕ら暮らしたあの日も
忘れ、今は、胸も痛まないよ。
強くなる日差しの部屋から
ベランダに咲くヒヤシンス見ている。
過ぎていく時間の中で。
浮かんでは消えてく蜃気楼。
せわしない日々に霞む
聞き慣れた声はもう、響かずに。
僕は無くしたカケラを
拾い集め、もう思い出さないよ。
広くなったベッドの上から
ベランダに咲くヒヤシンス見ている。
あんなに二人惹かれ合って、
そう、幸せだったあの日々も。
互いの身勝手ばっかりに、
微妙に距離を奪い合った。
素直に言えば良かったんだ。
君と生きるこの瞬間を。
ただ僕は言わなかったんだ。
『一生守っていきたい』と。
あの日、夢見た明日も、
ゆるり、消えて、でも忘れないよ。
あれから何年か経っても、
同じ空、夕日見ているよ。
二人夢見た頃から
時は流れ、たまに思い出すよ。
日の当たる書斎の窓から、
この庭に咲くヒヤシンス見ている。
見ている。
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