月に二度、通い続けたあのホームを抜けると
街並みは灰色の空に飲まれ 鮮やかさを奪われていた

異国の言葉が溢れた通りを過ぎれば見える
汚れた診療所の壁の文字は 白く塗りつぶされていた

曇りのち晴れの天気予報、あたしが「オレ」を脱ぎ去る日は
大久保の空に光が満ち足りて 午後には気持ちも晴れるでしょう


蒸し暑い 九月の熱気の中 古い路地裏で
他にはする事も無くて 節くれた指先を見つめていた

今更、戻ることもできずに あたしはどこへ行けばいいの?
汚れてく身体を隠しながら 一人空を見つめ泣いていた

雨のち晴れの天気予報、あたしが「オレ」を捨てる朝は
大久保の空は嵐が吹き荒れて 午後には虹が見れるかしら


曇り空、あたしが強くなれたなら
大久保の空は青く澄み渡り 午後には気持ちも晴れるでしょう

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

大久保の空

閲覧数:138

投稿日:2008/02/18 20:29:48

文字数:354文字

カテゴリ:その他

オススメ作品

クリップボードにコピーしました