嘲り笑う 太陽
虐げ睨む 太陰
怒り狂う 星々
天使は眠る
涙滴る 暗闇
瞳輝く 陰影
うつることのない 光
天使は起きる
「あぁ、あぁ…どうして私は
こんな理不尽な世に
生まれたのかしら」
嗚呼 嗚呼 天使は嘆いた
どんな運命であれ
彼女は天を舞う
神に捨てられた大天使
その小さな魔法 何を生む?
冬を飛び回る大天使
その小さな瞳 何を見る?
怪しい空の 楽園の島の
下界をさまよう
凍てつく空気 凍てつく大地
寒さに凍えて
――見付けたのは
怪しい空の 楽園の島の
下界をさまよう
哀れな男 哀れな女
凍えた人間
二人を襲うのは 禁断の罪と
罪の罰となる『失楽園』
天の神は笑う 二人を見て笑う
まるで予想していたかのように
天使が怒るのは 天罰の罠と
幸の夢となる『理想郷』
天の神は笑う 天使を見て笑う
まるで予想していたかのように
使者と罪人は変わらない
どちらも通称は奴隷でしかない
「いらなくなれば捨ててしまえばいい」
もはや彼らに救いなど無い
途方に暮れた 最古のヒトは
降り積もる雪に 身を痛める
途方に暮れた 堕落の天使
降り積もる雪に 身を寄せて
魔法をかける 小さな魔法を
役に立つことのなかった魔法を――
凍てつく空気は風となり
暖かく二人を包んだ
降り積もる雪は花となり
暖かく二人を包んだ
光輝くこの地を 暖かな大地を
雪が降る中 咲き誇る花を
驚く二人に姿を現した天使
「さぁ、この先までお行きなさいな」
雪から生まれし雫のような花の
道しるべを辿る、希望に満ちた二人
微笑む 黒き天使 静かに朽ちてゆく
嗚呼 道の先は何処なのか 誰も知らない...
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