僕の名前はレン。
この国の王女付の召使をしている。
今年で十四になる。
我が姫の名前はリン。
この国の若き当主だ。
同じく今年で十四になる。
近い年頃の方が良いから という理由だけで、僕が王女付になったわけじゃない。
これには複雑ないきさつがあるのだけれど、敢えて語るほどでもない。
一つだけ言えることは、僕はリンが大好きで、
彼女を守るその為ならば、僕は悪にだってなれるのだ。
「レン! レン? どこにいるの? 返事なさい!」
「ここにいるよ、リン」
言われた通り返事をしたのに、リンは僕を見て、む と眉をひそめた。
「王女様と呼びなさいと、いつも言っているでしょう!」
「ごめんごめん、我が姫」
リンは僕の対等な口のきき方には何も言わずに「紅茶を入れてちょうだい」と、少し疲れた様子でとさり と椅子に腰を下ろした。
探させたかな とこの細身一つで国を背負っている可愛い王女様がかわいそうになって、
僕は紅茶とともに干菓子をそっと沿えてテーブルに置いた。
「それで、どうしたの?」
「……今度ミドリノクニで晩餐会があるのは知っているでしょう?
それに着ていく服がなくて、困っているの」
「パーティー用のドレス、いっぱい持ってるよね?」
「どれも気分にあわないのよ」
リンははぁ と深刻にため息をつく。
「どうしたらいいのかしら……」
「……新しいドレスを作る、とか?」
「それはいい考えね!」
手を合わせて、ぱぁっ とリンは顔を輝かせた。
「ねぇ、どんなのがいいかしら?」
「リンは何でも似合うと思うよ」
「王・女・様!」
「……やっぱり王女に映えるのは金じゃないかな」
「そうよね! レン、すぐに仕立て屋を呼んでちょうだい!
早くしないと招待に間に合わないわ」
「はい、リン王女」
僕は微笑って応えた。
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