冬の終わりを謳うのは
小さな緑の息吹
春と色付く山肌は
ぬくもりに充ちている
鮮やかな囀りを
聞き届けるのは誰と
訊ねても応えなど
昔から決まっている
東風(こち)の吹き初(そ)め祝うのは
水面(みなも)を揺らす影たち
風の色さえ視えるよう
それが春の訪れ
深い夢から目を覚ます
生命(いのち)らが鳴くそのとき
つられるように開くのは
いろとりどりの美花(みはな)
変わらない移ろいを
音も無く願う君よ
年月(としつき)を重ねても
その手を合わせてほしい
静かな夜が去るように
魅せる蕾の彩り
冬の終わりと告げるなら
春の薫りはすぐに……
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