かつて華美を尽くした屋敷がありまして
それは見事な滝が庭園にありました
ほらごらん そのあたり 跡がわかるだろう
こう落ちてあちらへと続いていたんだね

もはやきらめく飛沫が散ることはなく
心地よいせせらぎも耳には届かない
むきだしの川底に草が生い茂る
在りし日の面影はどこに探せばいい

過ぎ去った景色と知って それでも人々が
こうしてはるばる足を運んでるだろう

音は絶えても名こそ流れて
今の世にも聞こえてるから
夢見るように思い描けるんだ
豊かな水にとどろく滝を


かつて僕らは同じ道へと踏み出して
それは貴重な時間を積み重ねてきた
ほら あの日あの場所を思い出せるだろう
いくつもの出来事を分かち合ってきたね

情熱も成長も歓喜も感動も
きっと僕だけのものじゃなかったと信じてる
苦しみもつまずきも報いも理不尽も
糧に作り直して 乗り越えてきたはずさ

違う道選んで 君が 離れてしまっても
ここまで築いた日々は揺るぐことなく

並べ刻んだ名こそ流れて
僕らの中に君がいたこと
いつまでだって伝えていくんだ
最後まで共に行けなくても

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
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55.名こそ流れて

滝の音は絶えて久しくなりぬれど名こそ流れてなほ聞こえけれ(大納言公任/藤原公任)

※「ノベルアップ+」及び個人サイト「篝火」でも公開中。

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投稿日:2024/11/24 21:56:25

文字数:472文字

カテゴリ:歌詞

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