ぺスリ「……ココは……どこ?」
目覚めたらここにいた。何がどうなっているかわからない。ここから自分がどうなるのかも。なんなら、自分の過去すら思い出せない。そもそも私に過去などあったんだろうか。
ぐるぐると考えを巡らせている内に頭にすごい衝撃を受けて倒れこんでしまった。
薄れていく意識の中で14歳ぐらいだろうか。2人の声が聞こえてくる。
リン「ちょ、ちょっとレン!誰か倒れてるよ!」
レン「だから加減しろって言ったんだよ。ってこれちょっとやばくないか?起きないぞ。」
リン「と、とにかく運ぼう!レン、そっち持って!」
どれくらい眠っていただろう。頭に違和感を覚えるが何とか起き上がることは出来そうだ。
ぺスリ「ん……」
レン「あ、起きた?」
リン「起きた!」
ミク「あ、起きたねぇ」
ルカ「起きましたか」
黄色い髪の少女と似た容姿、双子だろうか。少年と緑色ツインテールの少女、ピンク色のロングで大人びた雰囲気、いや大人の女性がこちらを見下ろしていた。
レン「ほら、リン。謝んないと……」
リン「ごめんなさい!私、加減とか分かんないから……」
ぺスリ「一体何のこと?それより、この頭の違和感は何?」
ミク「それのことなんだけど……ほら、あっち見て。」
極まりが悪そうにする緑髪の少女に指された方向を見るとそこには大きな姿見があった。
そこに映っていたのは、頭のあたりから自分の顔まで血が流れていた。
ぺスリ「きゃあぁぁぁぁぁ!!何これぇぇぇ!?」
もう痛みはないはずだが今度は精神がやられたようだ。
再び意識が暗転する。
ルカ「ちょっとまた倒れたわよ!?」
リン「わーん!ごめんなさいごめんなさいごめんなさい……」
レン「リンおちつけぇぇぇ!」
ミク「逝くなぁぁぁ!戻ってこぉぉぉぉい!」
レン「ミクもおちつけぇぇ!」
リン「ボンっ!」
ルカ「リンがショートしたわよ!」
再び意識が戻ったのは数分後だった。
ぺスリ「で、この頭の怪我って何?」
レン「うん。説明するよ。」
レンという少年から聞いた話の大筋はこんな感じらしい。
~~~~~~~~数時間前~~~~~~~~~~~~~~
レン「リン、野球するのは良いけどあんまり飛ばすなよ?」
リン「分かってるってー。早く投げてよ!」
レン「分かったよ。それっ!」
リン「よーし!【七変化歌姫リンちゃん打法!】」
レン「何それ!?って飛ばしすぎぃぃぃ!」
ゴンッ。
リン「今何か不吉な音しなかった?」
レン「ほら。言ったろ。とりあえずボール拾いに行こう。」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ぺスリ「そういう訳ですね。」
リン「ゴメンねー。リンのみかんあげるから許して。」
レン「俺のバナナもやるよ。」
ぺスリ「ふ、フルーツなど好きじゃないよっ!」
ミク「じゃあネギは?」
ぺスリ「ネギはもっといらない!」
ルカ「ちょっとはマシなもの出しましょうよ。はい、マグロ。」
ぺスリ「マシじゃないよ!むしろ悪化してる!」
何なのこの雰囲気……私完全に飲み込まれてるんですけど!
というかこんなネギとかマグロとか出されるなら最初のフルーツでも受け取っておけばよかった。
ふ、フルーツは嫌いですけどねっ!う、嘘じゃないですよッ!
ミク「じゃあ、ケーキは?」
ぺスリ「わ!ケーキ大好き!食べる食べる!……はっ!?」
やってしまった。こんなことしたら私の名誉が………あれ?私の性格って何なの?
リン「それよりさ、ぺスリちゃんって誕生日いつなの?」
ぺスリ「私はよく知らないけど、10月31日だったと思います。」
レン「え、じゃあ、今日じゃん!」
ミク「それじゃ、ケーキはちょっとお預けー。」
ぺスリ「な、何をするの?誕生日は好みの食べ物を取られる習慣があるの?」
ルカ「そうではありません。誕生日にはかくかくしかじかという習慣があります。」
ぺスリ「スゴイ省略された気がするけど、大体わかったよ!」
その瞬間、部屋のすべての照明が落とされた。少しびっくりするが、これから始まる説明を聞いておいたおかげでパニックにはならなかった。
恐らく聞いていたら本日3度目の意識暗転となっていただろう。
ミク「はっぴばーすでいとぅーゆー♪」
リンレン「ぱっぴばーすでいでぃあぺスリちゃーん♪」
ルカ「はっぴばーすでいとぅーゆー♪」
なんなのこの人たちの歌のうまさ……まさにディーバ……
ミク「さっ、ろうそくを消して!」
ぺスリ「う、うん…ふーっ。」
みんな「ぺスリちゃん、お誕生日おめでとう!」
何だろう、この気持ち。
ボール当たったけど、流血してるけど、2回意識不明になってるけど、でも……
ぺスリ「私、今とっても楽しい!」
ぺスリのための日。【マカロンプロジェクトで小説書いてみた。シリーズ1】
登場人物
神音ぺスリ
初音ミク
鏡音リン、レン
巡音ルカ
など。
ぺスリ視点でいきます。
後半ちょっと雑になっているので次回はきちんと余裕をもって作っていきたいと思います。
読んでくださってありがとうございました!
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