暗い森の中に立つ
名も知らぬ儚げな少女
その瞳(め)が映すは空ばかり
その耳に届く音は無し

彼女は何故泣いている?
僕は何故戸惑ってる?


十四の年の春が過ぎ
両の瞳(め)を失った少女
その手が掴むは空(くう)ばかり
その足が歩む道も見えぬ

彼女は何故消えたがる?
僕は何故止めたがる?


森の華は散り果てぬ
風と戯れる輝く髪
その手に掴むは一片の
その声が紡ぐ子守唄

彼女は何故舞墜ちる?
僕は何故共に逝く?


彼女は何故微笑んだ?
僕は何故微笑んだ?

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

花信風

僕は彼女と初めて会った
薄暗い、小さな森で
きっとそれは他と違う色に惹かれたから
きっとそれは風が運ぶ香りがあまりにも馨しかったから
だからきっと、僕の鼓動はうるさいんだ

やがて知った

彼女の世界は少しずつ
少しずつ閉ざされていく
それは静かに確実に
それに気づかぬ僕を置いて

笑う彼女が最期に紡ぐ
届かぬはずの子守歌
笑う僕が最期に抱く
愛しい想い
愛しい彼女

閲覧数:104

投稿日:2010/03/04 10:57:55

文字数:234文字

カテゴリ:歌詞

クリップボードにコピーしました