1a
掌に 招き入れた ホタル
狐の面 照らし 舞い上がり
月明かり ほどけ溶け崩れては
寂しげに ふらり立ち 手を引く

1s
ゆら ゆら ゆれる水面に
君と二人 私も揺すぶられ
ゆら ゆら このまま共に ありたいものだと
嘯いて 目を 覚ます

2a
掌で 覆い隠した ヨクを
狐の面 見られぬ よう呑みこみ
夜の闇 ホタルの火たよりに
曖昧に ふわり恋に 溶けていた

2s
ゆら ゆら ゆれる鏡に
私一人 汚く映されて
ゆら ゆら このまま共に あれはしないぞと
呟いて 目が 眩む

c
君は 君は 醜い私の 想い描く
うつくしい虚像
欲しい 欲しい いもせぬ者に 恋煩い
爛れてゆく 現実

3a
掌で 喚きたてる 口を
狐の面 向けては しまわぬように
深層の 心の奥の汚泥を
あさましく かくし夢に 縋りつく

3s
ゆら ゆら しめす指に
私の素顔 確かに捉えられ
ゆら ゆら ああもう悟られて いたではないかと
嘆いて 目を 潰す

d
君は 君は 現にはいない 狐
自らを愛せぬ 私が恋した きれいな夢
君に 君に 愛してもらえないのなら
私をどうか どうか 殺して 呉れないか

e
狸の面は 首を絞めて 潰れゆく喉で 喚きたてる
未練を込めた呪言を
狐の面は 首に触れて 消えゆく姿で 囁きかける
清水のような愛を

4a
掌に 遺された アイを
狸の面 わずか 息を棄て
肺の内 封じ込めては瞼閉ざし
偽りの国 手を振り 今消える

4s
ゆら ゆら ゆれる世界に
狐と二人 狸は騙されて
ゆら ゆら つかの間の 夢に食われて
共に 消えてゆく
共に 夢に消える

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夢に騙された狸と狐

夢に騙されてお互いがお互いの夢見る存在であると思い込んだ狸と狐の詞です。

閲覧数:129

投稿日:2012/08/22 21:34:45

文字数:750文字

カテゴリ:歌詞

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