蜃気楼が解けた
その不完全な生(せい)にもたれて
ぬるいコーヒーを
口に含んでは顔をしかめる
誠実だと他人(ひと)が言うのなら
僕は一体 どうあればいいのでしょう
眼前に透明な群青が咲いて
また僕のことを置いてこうとする
上手く歩けない猫はまた鳴いて
回らない舌で言う
「ひとでなし」
終わりを告げた
その身体がいらないと言うなら
バラバラにして
良いとこだけ取り除けばいいでしょ?
煤けたガラスに
写った僕を見て嘲笑うのは
他の誰でもない
この僕自身だった
言わなきゃいけない事があるんだ
儚く脆い群青が咲いて
消え入りそうな声で泣く
目覚まし時計は止まったままで
朝を迎えられない
子供たち
あの日どこかで見た群青が咲いて
ゆらり霞み手のひらで溶けた
言う事を聞かない口が開いて
私は大人になった。
信じてどうか二度と失わないよう
抗うことに疲れたとしても
僕がなれなかった群青は此処で
いつか朽ち果てる時
意味を問う
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