クリスマスなのに
「仕事があるんだ」
去年、一昨年も
あなた言ったじゃない？

おかしいよそんなの
何か隠してる
わたし変装して
あなたをつけたの

知らないマンション
人目を忍んで
入ったの確認！
ドアを開けたら

恋人はサンタクロース
本当のサンタクロース
比喩とかじゃなくて
トナカイを飼っていた

お願いユーミン
あの人を返して
白いひげが毛むくじゃらで
赤い服がよく似合ってる
おじいさんじゃないあの人を

驚くわたしと
狼狽えるあなた
となりで猛獣が
ムシャムシャ食べてる

顔を手でこすると
いつもの笑顔に
「夢でも見たんじゃない？」
今さら遅いわ！

バカでかいソリは
どこから入れたの？
トナカイ飼うのは
許可はとってるの？

恋人はサンタクロース
本当のサンタクロース
比喩とかじゃなくて
フィンランドからやって来た

助けてムーミン
トナカイが噛んでくる
買ったばかり高いコートも
ヨダレだらけ悲鳴あげて
あなたのことも聞きゃあしない

あなたは突然すがりつき
「騙すつもりじゃなかったんだ」

本当はサンタクロース
血筋がサンタクロース
先祖代々
ソリ乗って飛んできた

お願いダーリン
僕を捨てないで
二人で行った伊勢神宮
ハワイで見た熱い夕日
遠い思い出にさせないで

恋人はサンタクロース
本当のサンタクロース
比喩とかじゃなくて
永遠のおじいさん

聞いてねダーリン
わたしの前では
若いあなたのままでいて
プレゼントも忘れないで
そしたら一緒にいてあげるわ