<裏切りの序曲>

<1番>
足元　割れたガラスに
逆さの　笑顔のあなた
出口
見えない迷宮閉じ込められて
重り載せた天秤　激しく揺れる

なぜ　ふたりの思い出
引き　裂かれてしまうの

淡い感情燃やし灰にしてゆく
雨
夕闇の窓辺

<2番>
街の灯　流れ消えてく
逆さに歪んだわたし
紅く滴る心　抱えて彷徨（さまよ）う
知らなかった想い　渦巻き始める　

なぜ　ふたりの足跡
過去　埋もれてしまうの

柔らかく開拓（ひら）く胸に爪を立てる
雨　
紅の驟雨(しゅうう)

<3番>
現れては消える　幻の花は
手を　伸ばしても遠く
掻き　消えてしまう夢

<ラスト>
朝　淡く光差す
部屋　佇む独りで
胸に咲いた暗い炎　燃え続け
まだ
窓に雨が降る


ひらがなver.

<1番>
あしも　と
われた　がらすに
さかさ　の
えがお　のあなた
でぐち
みえないめえきゅうとじこめられて
おもりのせたてんびんはげしくゆれる

なぜ
ふたりのおもいで
ひき
さかれてしまうの

あわいかんじょおもやしはいにしてゆく
あめ
ゆうやみのまどべ

<2番>
まちの　ひ
ながれ　きえてく
さかさ　に
ゆがん　だわたし
あかく
したたるこころかかえてさまよう
しらなかあたおもいうずまきはじめる

なぜ
ふたりのあしあと
かこ
うもれてしまうの

やわらかくひらくむねにつめおたてる
あめ
くれないのしゅうう

<3番>
あらわれてわきえるまぼろしのはなわ
てお
のばしてもとおく
かき
きえてしまうゆめ

<ラスト>
あさ
あわくひかりさす
へや
たたずむひとりで
むねにさいたくらいほのおもえつずけ
まだ
まどにあめがふる