「な、何?!
レン…何か怖いわ…」
「大丈夫だよ、俺がついてる」
リンは少し恐怖を覚えたのか、咄嗟にレンの服をつかむ。
レンは掴まれた手の上に自分の手を置き、リンを安心させるかの様に言葉をかけた。
まだ扉は凄い揺れていた。
しかし次の瞬間いきなり開いたと思ったら、風が勢い良く吹きレンもリンも目が霞む。
レンはそんな中無理矢理目を開けて見ると、そこには明らかに一人の人物の姿があった。
風は知らない内に止み、気づけばその人物は家に上がり込んでいた。
レンは思わず布団から抜け出し、その人物に文句を言った。
「なんだよ、お前!」
?「私は…死神……貴方に用はないわ…」
「Σ!?…」
死神と名乗ったその人物の声は女の子なのに、凄く冷たく感じられた。
それに対して言い返したいのに言い返せないでいた。
しかしレンは―ハッ―と我に返り言い返した。
また何を言い出すんだと…。
「いい加減な事言うんじゃねぇよ!」
緑死「いいえ、いい加減じゃないわ。
私はその子に用があるのよ。
寿命が来てしまったものは仕方ないわ。」
「馬鹿言うなよ!
まだまだリンは元気じゃねぇかよ!」
レンは必死に対抗していた。
リンは二人の様子を只怯えながら見ていた。
自分が声をかけて良いのかも解らないまま…。
何も言えずにベットのシーツを握りしめていた。
一方レンと緑のフードを被った死神は、未だに言い合いをしていた。
レンは訳が解らないとキレ出して、緑の死神は冷静冷酷に淡々と言葉を発していた。
そして通称緑の死神は小さくため息を吐くと、手を挙げてレンに当てると、何やら解らない言葉を発した。
緑死「…………ハッ!」
「!?」
――シューーンッ
ドスッ
鈍い音が部屋に響くと共にレンは吹き飛ばされた。
そして、壁に嫌な音と共に背中をぶつけて気絶してしまった。
それを間近で見ていたリンは叫んだ。
「レェェェンッ!!」
――シュンッ
緑死「貴方は今自分の立場を考えるべきだわ。」
いつ来たのか、以外に先程の所から距離があるはずなのに、瞬間的、リンは気がついた時には既に遅かった。
目の前には先程までレンと会話をしていた緑の死神。
リンは震えが止まらなかった。
緑死「良い態度だわ。
じゃ、さようなら…鏡音リン」
「いやぁぁ!!!!!」
――ドンッ
ガシャガシャガシャンッ
緑死「うっ…」
「へへ……リンには何もさせねぇよ」
緑死「…く…」
レンは力を振り絞り緑の死神を体当たりで攻撃した。
その瞬間フードが取れ、緑青のツインテールが現れた。
顔は暗くてよく見えなかったが、月明かりで微かに見えた顔は、余りにも幼さの残る顔立ちだった。
フードが取れて緑の死神は慌てて、フードを被り扉に走った。
緑死「また何れ…」
「ちょ、待て!」
レンが緑の死神を追いかけて扉に向かうと、その姿はもう無くて、レンは混乱していた。
リンはまだ布団を持ちながらも―ガタガタ―と体を震えさせていた。
それを見かねてレンはリンにそっと寄り添うように、肩に手を当てて寝かしつけた。
無様にも荒れた部屋、もうどこから手をつけて良いのか解らない。
しかしながらもレンは明日はたまたま休みだ。
「あぁー明日休みで良かったー」
―ボソリ―と告げられた言葉、隣には眠りについたのは良いものの、瞳からは涙が出ているリンの姿があった。
これから起こる数々の出来事の前置きがこんな形になるなど…この時のレンには想像出来なかった。
あんな事になるなど…
残酷な人生を送る事になるなど、誰もが想像していなかった…。
これは…レンの記憶の物語…
レンの中に眠る……。
深く…悲しい……結末の物語である…。
2話に続く
{次回予告}
メイ「緑の死神ねぇ…(ミク…か)」
カイ「大変だったんだね…(何で…ここに……)」
二人は双子達と別れた後帰り道に話し合っていた。
自分達の事を知られてはいけないと…。
内心びびりまくっていた。
いつ指令が来るのか…と。
そして帰り道の誰も通らない様な道で、メイコとカイトは久しぶりすぎる相手と再開した…。
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