~*~*~*~ おまけ ~*~*~*~

「そういえば、ルカの容姿はどんな感じなんだい?」

「あ、そういえばまだ見せてなかったわね。
 これよ」

カイトの質問を受け、メイコが差し出した紙に印字されたルカの容姿を見て、各々が思い思いの
感想を述べる。

「「!?」」

「へえ…、なるほど。
 クールでミステリアスな雰囲気か。表情とか雰囲気から見て、クールビューティって感じだな」

「コスチュームは、木管&金管楽器と水滴をイメージしたデザインらしいわね」

「冷ややかで白い肌がクールな声を、ピンクの髪が内に秘める情熱的な感じを表現している、か。
 これが今後どんな口調・性格に色付けされていくのか楽しみだね。あと獲物も」

「獲物っていえば、リン達のときは凄かったわね。例の動画一発でロードローラーに
 決まっちゃったような感じだったから。
 まあ、JOJO知らない人にはイミフだったとは思うけど」

「口調・性格ねえ…。
 メイコ姉とは違った意味で大人の女性って感じがするけど…たしかクーデレってやつ?
 そういうの好きな人たちにウケそうだよな」

どこで覚えた、そんな言葉。

(まあ、あたしとしては酒を酌み交わせる相手が増えたのが地味に嬉しいわね。
 カイトは甘党で残りは未成年だし、がくぽとか海外組みは都合付かない時が多いし)

そこまで考えたところで、先程からミクとリンの二人が一言も発してないことに気づいたメイコ。
彼女らを見ると、俯いたままの姿勢でただひたすらに沈黙を保っている。
よくよく見れば、額の部分に何本もの縦線が浮かび上がっている気もする。

「? どうしたの、二人ともさっきから黙ったままで…」

「「……きい」」

「え?」

「「大きい」」

「大きい? いったい何の…」

「お姉ちゃんには、揺れる者にはわからないよっ!!
 揺れざる者の苦しみと哀しみはっ!!」

突然立ち上がって気勢を挙げるミクと、それに同調・追随するリン。

「神は死んだっ!! 何故だ!!」

「坊や(ガキ)だからだろ(ぼそ)」

どこぞの独裁者を真似た台詞に、これまたどこぞのニュータイプを真似た台詞でツッコミむレン。
が、その直後に160kmストレートのみかんを顔面直撃されKOされる。

ミク・リンの視線が自分の胸部に向けられていることから全てを悟ったメイコだが、二人の放つ
異様な気迫に気圧されたのか、思わず後ずさりしてしまう。

「まて、ミク! リンも! ちょっと落ち着くんだ!!」

その隙を突いて車庫へと向かおうとした二人に待ったをかけたのは、意外にもカイト。

「確かに、二人とも躯の方はお世辞にも…その…なんだ、控えめというか、おとなしいと思う。
 けど、二人にはルカを含めて他の皆にはないものがあるだろう?
 "若さ"っていうやつが」

意外にもまともなことを話すカイト。
これ幸いと、メイコもそれを援護する。

「そ、そうね。ルカは二十歳だから、十代なのはあなた達だけね。
 やっぱり十代って、何か特別な響きがあると思うわよ」

「そうだよ。
 正式ナンバーじゃないけど、重音テトさんは31歳で、弱音ハクさんは年齢不詳(欝)歳だし
 めーちゃんも一説ではさんじゅうな…ぶぎゃっ!?」

先の拳王様発言に続き、禁断の台詞を口にしたカイトの顔面にワンカップがめり込んでいた。
まったく、自己学習機能が貧弱な機体である。

「あたしはまだ20代!! …って、しまった!」

二人がお馬鹿な漫才を繰り広げている隙に、ミク・リンの二人はロードローラーの発進準備を
既に完了していたのであった。

「こうなったらリンちゃん、革命だよ!!
 巨乳に虐げられない、スレンダーのパラダイスを創ろう!!」
「もちろんだよ!! 攻撃目標、ボーカロイド研究所。ジョセフィーヌ発進!!」

研究所へ向かって爆走するロードローラー。
後に残されたのは呆然として立ちすくむメイコと、ワンカップとみかんをそれぞれ顔面に
めり込ませて伸びている男性陣のみであった。


~*~*~*~ 研究所 ~*~*~*~

「所長、ミクとリンがやってきてとにかく所長に会わせろと。
 なんか、『格差是正』とか『格差社会のヘーガイを打破せよ』とかのプラカード持って
 意気込んでるんですが…。
 所長、どこに行ったんですか? 所長~?」


End

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  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい

【小説】-「巡音ルカ」発表の日 Chapter3(おまけ)-【ギャグ系】

「巡音ルカ」発表に伴い執筆したギャグ系中篇小説の第3弾…というよりはおまけですかね。
第1弾の方から続けてお読みください。

閲覧数:831

投稿日:2009/01/08 23:25:07

文字数:1,817文字

カテゴリ:小説

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