ふわりふわりと初雪が舞った
雪に混ざってゆきんこが踊る
くるりくるりと木枯らしに乗って
視界から消えた

冷たい空気　頬を刺すように
ただ無慈悲にも　世間を煽った
この世界はね　私には冷たい
誰にでも冷たい

ゆきんこだって空だって
みんな美しい　綺麗なの
だけど私だけ　私だけ
なんか　綺麗じゃない
綺麗じゃないんだよ
生きること　誰だって辛い
辛いのが当たり前　それなのに

苦しくて　逃げたくて
目の前のナイフ握りしめ
左手首切りつけた
何にもならない
赤い血が　真っ白な雪の上
花を描いても
何一つも変わらない

不都合すぎる真実は見ない
見てみないふり　いつまで続ける？
逃げ回っても追いかけてくるよ
現実はいつも

ただ残酷に容赦なく吹雪き
奪ってく　体温を
いつも神様は虐げる
生きる価値のない絶滅危惧種
弱き者　見放され
生きる意志のない
ゆきんこの吹き溜まり

積み上げた残骸が
枯れ果てて忘れられてゆく
何のために生きてきた？
いつかは死ぬのに？
ささやかな墓標さえ
神様は風化させてゆく
救いなんてなかった

ゆきんこだって　空だって
みんな美しい　綺麗なの
だけど私だけ弱いんだ
そして尊くない
尊くないんだよ
無力さに立ち向かう勇気
そんなもの沸かなくて
疲れたよ…ああ

ゆきんこになりたいな
この冬は越せそうにないよ
この弱さはこの世には
必要ないんだ
ゆきんこになれるかな？
飛び降りて確かめてみよう
宙を舞って　さよなら。