すくい / フリモメンSV ・ 健音テイ
Lyrics
掌を合わせ
頭を垂れ縋った
いつかの明日へと
解放を夢見る
凡ての苦痛は
浄土に帰結する
そんな幻想に
足を掬われる
幼子の渇きを
未だ潤せず
遠き日の答えを
永久に回顧する
悪戯に時経ど
見当は違った
賽の河原にて
石を積み続く
魘された同胞は
湿る首 括った
日毎に嵩を増し
喘ぎ呻く呼吸
現し世の谷にて
腐れ水を吐く
御声に顔を上げ
掴む蜘蛛の糸
忽然と目覚ませば孤独の大海に独り
臍の緒は未だ手放せず
波間で息継ぎ接ぎ揺蕩い攫われるまま
待ちぼうける青い鳥
方角を見失い夢中で腕振り回す
引き攣れた声疾うに掠れ
濡れ衣の重力が熱源を奪いゆく
「全ては災いであり、」
「朗らかに享受せよ
神は隙間から入り込む
目を開け音を聴け息を吸え
万物に無防備であり給へ
優しいお前は何時か報われる
善なる者の行き先を示そう
易しいお前は媒体となる
万物に無防備であり給へ」
何時か此の身を救い給う神が
あの御天道である理由は無い
三日月でもいい この海でもいい
今朝助けた一つの蜘蛛でもいい
未来に期待して生きたい
「苦い異体は?」
見ないで擬態する死体
救う
救う
救う
救う
救い給え哀れな幼形成熟を
巣食う
巣食う
巣食う
巣食う
あなたのその伽藍洞の胸中
救う
救う
救う
救う
救い給え嘗ての立役者を
巣食う
巣食う
巣食う
巣食う
あなたその選択の全てを
小さな命を
掬う
蜘蛛の糸
現世の縛りから
逃げ縋った一縷が
脊髄這い上り
雁字に搦まる
柔らかな真綿が
視神経を置換し
曇った視界に
なおも気づかない
不確定な存在を
追い続け泣き喚く
不都合な不在は
認め難きゆえ
荒波に抗わず
桃源は築かず
招かれる時求め
彷徨う命
手に余る文明に
精一杯流され
非合理に生じた
此の命に
合理的な解を
そして救われる(巣食われる)やわらかな脳味噌
すくい / フリモメンSV ・ 健音テイ
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