二人の少女がいた

二人は綺麗なドレスを身に纏い、暗い部屋の中に静かに佇んでいる

一人はこの世のすべてが見えた

一人は何も見えなかった

全てが見える少女が口を開いた

「あなたはいいわね」

静かなその声は暗い部屋の闇に吸い込まれた

何も見えない少女も口を開く

「あなたはいいわね」

抑揚のないその言葉たちは部屋の闇に溶けた

二人の不自由な少女は互いを羨み続ける

そしてふと気付く

この世に存在し生きる限り

見えて良いものや見えなくて良いものが有る事は

限りなく残酷でどうでもいいことだという事に

二人の少女がいた

二人は綺麗なドレスを身に纏い、暗い部屋の中に静かに佇んでいた

二人は限りなく不自由な少女だった

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

不自由な少女

人間とか自由とか不自由とか醜い事とか綺麗な事とかを思想的に考えて詰め込んでみました

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投稿日:2009/05/31 13:39:35

文字数:319文字

カテゴリ:小説

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