月曜日。
俺たちは退魔師協会の依頼で郊外の一軒家を訪れていた。
「タクミ、ここでいいの?」
依頼内容は郊外の一軒家にとりついた悪霊を退治すること。
ミクが指差した先には、建てたばかりの新築の一軒家があった。
協会の話では、実は建て直す前のいわくつき物件を強引に建て直してみた結果、こうなったらしい。
とすると、地縛霊か。
建て直す前に言ってくれよ、という話であるが。
一回更地にしたらなんともなかったらしい。
狡猾な悪霊だな。
「準備はいいか?」
ミクは頷いてみせた。
俺は精神統一をして、霊気を高める。ミクは背中からネギを一本取り出して、身構えた。
「おじゃましまーす」
俺とミクは玄関から入り、家の奥をにらんだ。
その途端、まがまがしい気が充満してくる。
――バタン
台所の方から扉を閉める音がした。
今は俺たち以外にはいないはず。
さっそく悪霊のおでましか。
「出てきなさい! ぶっとばしてやる」
ミクの体から溢れた光がネギを包んでいく。
俺たちは合図をして、台所に駆け込んだ。
その瞬間、黒い人影が上の戸棚に隠れる。
――バキバキ
引き戸の蝶番が悲鳴を上げて壊れて、俺たちに浮き上がった扉が襲い掛かる。
俺はとっさに左に避け、ミクはそれを叩き落した。
「破ッ」
俺は素早く印に力をこめて、空中に光の糸を出してそれを戸棚の奥にぶっさした。
手ごたえがない。
後ろに気配。
「そんなのお見通しよ!」
ミクは巫女服で器用に体を翻しながら、ネギに霊力を注ぎ込む。
「カモネギ!」
床から出現した妖魔を、ミクは振り返る動作で横一線。
黒い人影は真っ二つになった。
「ぎゃあああああ」
妖魔の断末魔が台所に響き渡る。
真っ二つになった妖魔はそのまま光に包まれて、ネギに吸収されていった。
じゅるり、という音が聞けそうなほどよだれを垂らしたミクは
「いただきまーず」
そのまま緑の部分から食べて行く。
パートナーのコレがなければ、ハイパー美少女なのに。言わないけど。
一気に食べ終えたミクが満足気にうなずいた。
「ごちそうさま」
「依頼達成」
俺とミクは手を出して叩きあい、勝利を祝いあった。
END
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