冷たい海の冷たい風が雪を運ぶ
渡り鳥はひらかれた空の水際に
ひととき翼を休め ふたたび飛び立つ
丘を覆う芝桜 ひかり輝く向日葵
湖畔を白く染める水芭蕉 ジャガイモ畑の紫
牛の群れが草を食み 雲が星が月が巡る
山が紅葉をまとい やがてまた風が雪を運ぶ
幾億の空色の彩りを水面にたたえながら
春を夏を秋を冬を越えて 大空に舞う
眠れる沼と泉と川が大空になる
渡り鳥はひらかれた実りの大地に
つかれた翼を休め ふたたびはばたく
春の陽だまり福寿草 涼やかヒオウギアヤメ
恋人にそっと贈る黒百合 燃え上がるナナカマド
麦の穂がざわめき揺れ 夢が人が時が巡る
カムイチェプが流れを遡り 風が雪を運ぶ
幾億の空色の彩りを瞳に宿しながら
春を夏を秋を冬を越えて 大空に舞う
この大空に舞う
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