二度寝。ヒトはそれをしてしまうと、なかなか起き上がってこれない。例えばだが、あと5分だけ……と呟いて瞼を閉じれば昏々と眠り続けてしまう。
はっ!? と言って夢の世界から帰還すると、取り返しのつかない事態へなってしまうこともある。今まさに4人は、それが起きようとしていた。
「おーい、雇われ近衛兵の新人たち〜っ。はやく食堂に来ないと、コラツィオーネが食べれなくなるぞ〜っ」
※Colazione=イタリア語で朝食※
それはミクたちが眠る、部屋の外…即ち廊下から聞こえる声であった。兵舎の料理人、セルジオ・トラサッドが教えてくれているが、二度寝をしている4人に聞こえていない。
眠ったまま、時間だけがすぎていく……。時刻は7時15分、二度寝をした4人はまだ【おやすみせかい】の夢から覚めないでいた。
そんな状況下のなかである。
「まだ寝ているのか……」と言って部屋へと入ってきたのは、カリスマ騎士のローランドであった。
「食堂で騎士フーガとソレイユ弟の姿が見えないから来てみたが、まだ熟睡中とはな……」
ローランドは4人が眠っている姿を見て、ある異変に気づいていた。なぜなら、ミク以外の3人が床の上でスヤスヤしているからだ。異変をすぐ察したのも、カリスマ騎士ならではの判断力がある。
すぐさま3人を眠らせた元凶の布団へ手を掛け、コマンドメニューを開き【はぎとる】を選択した。
シュパッ! ローランドは0.7秒の速さで、布団をはぎ取った。それもカリスマ騎士の名に恥じないよう、スタイリッシュに美しくだ。
「zzz……。ふぇ……あっ、おはようございます団長さん」
目を覚ましたミクは、瞼を擦りながら起こしてくれたヒトへ挨拶をする。
「リーダーのフジタよ。お前の仲間は、まだ眠っている。はやく起こしてあげるんだ」
「えっ? あっはい、ほんとうですね」
「起こしたならば、フーガとソレイユ弟の2人に団長室へ来るよう伝えておけ」
「はい、わかりました」
騎士団長のローランドが前から去っていくと、ミクはパーティーメンバーの3人を起こしていく。床で眠る体を揺らしていきながらだ。
「こんなところで寝ちゃダメよ。リンちゃん、レン君、フーガさん!」
「うっうぅ〜ん」
懸命な呼びかけにより3人は目覚めた。するとリーダーからダメ出しが入ってしまう。
「みんなが私より寝ぼうしちゃうだなんて、ダメじゃない。私は…みんなに起こしてもらう側なのよ!」
「…………」
ダメ出しを受けて無言になった3人は心のなかで──寝ぼうしたのは、お前のせいだろうがーっ!──と声を揃えてミクに思っていた。
「あとね、レン君とフーガさんは団長さんが団長室にきなさいって言ってたわよ」ミクは伝言を2人に伝えた。
「ああっ…そうなんだ……。ぼくとボーイだけなんだね……」
「たぶん、アレのことだと思いますよフーガさん。ほら、僕と2人で受けるサブクエの話じゃないかと」
「そう言えば…そんなことがあったね……」
これはクエストの面接時に男子メンバーの2人が、[騎士たちの夜会]なるサブクエストをこなさなければならないことへ話が由来する。
「だったらはやく、ひきこもりとレンは団長室へ行きなさいよ。あたしたちのおサイフを潤せるチャンスなんだから」
「わかったよ…ガール……」
フーガとレンのふたりは パーティーからはなれた
ミクとリンの ふたりだけになる
メンバーが二手に分かれて、部屋に残ったリンはミクにこう言った。これは目覚めた朝に関する大切な行動のことである。
「ミクちゃん……あたしたちさ、まだ朝ごはん たべれるかな……」
「うっうん……たぶん食べれると思うよ……」
少女2人が佇む部屋のなかへ、グゥ〜〜っと空腹の音色が鳴り響いていた。僅かな期待を秘めて、ミクとリンは食堂へ向かうのだ。
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寮生活で寝すごしちゃうと
朝食へ間に合わなくなってしまう……
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kurogaki
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