殺せ この身に宿る不死の煙の罪を
壊れた心にしがみついた 真白く褪せた髪を
里に打ち捨てられた本の頁(ページ)の中には
哀れな五つの星の屑を濡羽(ぬれば)の艶(あで)が嗤う
天命を弄ぶ薬(くす)に 鳴り止まぬ人の形
搔き毟る陵辱の爪を流れ待ち望んだ
あてどもない旅路 繰り返す別離に慣れてまなじりを這う水も枯れて
全てを投げ出して空いた腕にかき抱いた 唇を濡らす血が甘く
忘却の彼方に追いやられし憎き人よ 我が鼓動は未だ此処に
物語の中に追いやられし憎き人よ 永遠の愛の名で 私を殺せ
煌々と流れゆき燦々と燃えさかる
穢れた闇夜を喰らう者は散りもせぬ白き華
無慈悲なる火の翼よ 我を盲(めしい)に堕とすか
あまねく世界を焼く恋は潜むことも赦さず
積み上げた罪業は遥かあの空に届くかと
嘲笑う狂愛の舌を交わり噛み千切った
あてどもない旅路 繰り返す別離に飽いて掠め取った夜に沈む
全てを与えよう 誰の手に穢されもせぬ傷一つ残らない宝
置き去りし昔を忘れさせよ愛しき人 ただ一人残りし友よ
望み無き未来を忘れさせよ愛しき人 無間を生む怨みで 私を殺せ
生まれては死に逝く定命(さだめ)を歪めた報いなれば
嬲れど犯せど終わらぬ永久(とわ)を道連れにして
燃え尽きぬ我が身を殺し尽くせ憎き人よ 永遠の殺戮を共に
陰り無きこの身を殺し尽くせ愛しき人 幻想の果ての世で 私を殺せ
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