「ええと、わたしと山田先生は職員室にいたわ、そうですよね山田先生?」
「ああ、そうですよ」
と赤原先生、山田先生。
「私はさっきも言った通り西階段の途中に」
これは及川先生。
「私は更衣室で着替えてました。部活の顧問として今日初めての日なので」
と及川先生と同じく今年から入った駒村先生。
「そうそう。着替えている途中に私が呼びにきたのよね」
と及川先生。
その後も緑絵グミは聞いていったが、大体の先生は体育館にいて、入学式の後片付けをしていたり、部活棟にいたらしい。
「ということは、結月先生を押すことができたのは及川先生だけってことになるの?」
とわたしが言うと、全員が一斉に及川先生を見た。
及川先生が真っ赤になって、
「私はそんなことしません!!」
と叫んだ。
しかし先生たちの目の色は変わらない。
「初音さん、だったかしら・・・そんなに早く結論を出すものではないでしょう。推理、というのはたくさんの可能性の中から、一つの真実を選び出さなければいけない・・・・そのためにはもっと条件を絞っていかなければならない、そう思いませんか?」
と緑絵グミが言った。
「え。じゃ、一体誰が?」
「それを今から考えていくのですよ。及川先生、駒村先生、初めて結月先生にお会いになったのはいつですか?」
とふたりに向かって言った。
「?私は春休み中に。私、新体操部の顧問なの。体操部と新体操部は同じ体育館だから、春休みの時に初めて結月先生にお会いしたわ」
と及川先生。
「私は今日が初めてです。先生同士の顔合わせの時、結月先生は風邪をひいていらっしゃたので」
「春休みに学校に来るというのは・・・」
「ありません。私は美術部の顧問なので春休みに部活はなかったので」
と駒村先生。
「そうですか。ありがとうございます。ところで結月先生、先生は部活中、主に何をしていますか?」
「え?練習指導したり、柔軟を一緒にしたりだけど・・・それがどうかしたの?」
「いえ、お答えくださりどうもありがとうございます」
「はぁ・・・」
結月先生は首をかしげた。
わたしも首をかしげたので、先生の気持ちはわかる。なんでそんなこと聞いたんだろ・・・。
早く解決しないかなぁ。ミステリーは好きだけど、実際に事件に巻き込まれるのは、ちょっと・・・。
そう思いながらわたしは踊り場の窓から中庭を見た。
十人くらいの生徒が二列になって走っている。その後ろを普段は先生が走っているのだろうけれど、今日はこんなことがあったから、いない。
事件が起きた時は部活中だったので、何人かの先生はジャージを着たままだ。
そうそうこの学校ってちょっと変わってて、先生のジャージまで学校指定なんだよね。生徒のジャージとよく似た感じのデザインになってるの。色は赤とか青とかいろいろ・・・あれ?
「及川先生」
「あら何か?」
「先生、先生が見たのは緑の体操服を着た生徒だったんですよね?」
「ええ、そうよ」
「そうですか」
お礼を言って先生から離れて一人階段下で考え事をしている緑絵グミのもとへ。
「ねぇ、犯人わかったの?」
「・・・今少し考えているんです。話しかけないでいただけますか?」
「もしこの事件の犯人がわかったら・・・」
「認めてもらいますよ。約束ですから」
「ふ~ん」
「ほかに用事はありますか?」
「わたし少しわかったかも」
「言ってみてください」
「犯人は一年生じゃないかしら?」
「どうしてですか?」
「この学校って学年ごとにリボンとネクタイと体操服の色が違うでしょ?」
「はぁ、そうですね」
「で、一年生って緑の体操服でしょ?だから・・・・」
「入学初日に体操服を持ってくる生徒がいますか?」
「・・・」
「しかし、いいところまではいっています」
「!」
「そろそろ、皆さんに犯人をお教えしましょう」
緑絵グミは踊り場へと上がった。

ライセンス

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ミステリー研究会にようこそ!! あなたはだれ? 第5話

次で犯人がわかる!!!!!!

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投稿日:2013/07/29 15:49:09

文字数:1,596文字

カテゴリ:小説

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