風が吹き刺す 曇天の中
繋ぐ温もり 曖昧なまま
霞降り立ち月日流れて 現在(いま)
先も奥底も底冷えていく

落とされ閉じた帳(とばり)と
壁も触れない空間
歩き疲れて 唯 座り込む
微かに差した灯と 柔く吹きさす夜桜
穏やかな日も 影が呑み込む

とうにわかっていた

夜風にあたり続け 夜闇に座り込んで
もう冷え切っている 桜も散り消えて
降り積む徒桜と 終わらぬ春曇りが
また取りこぼした
褪せる恋心を

雨を待ち侘ぶ 心象の中
落涙せぬまま また今日が終わる

捨て破られた記憶と また訪れた暗闇
前後不覚で 足もつれて
転ばぬ先の杖も
差し伸べられる 貴方の手(救い)も
掴み取れずに 起きれないまま

とうにわかっていた

ほつれた赤い糸は ほどけて行方知れずと
もう戻らないと
貴方も立ち消えて

冷たく荒ぶ風も 温さを取り戻して
今 気付かせたの 春の暮れの訪ねを
降り積む徒桜も ほどなく葉桜へと
零る恋心も 桜と共に散り行く
無人の狭いアパート
近寄るペトリコール
「じゃあ、また何処かで」

雨音と消え行く

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  • 非営利目的に限ります
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陽光降らず、春行く

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投稿日:2023/03/20 14:21:09

文字数:464文字

カテゴリ:歌詞

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