「ルッカー♪おはよー!」
土砂降りの雨が降った次の日。
絵文字で言う「ノシ」な感じに手を振りながら、リンが駆けてきた。
「おはよ。リn…げ、」
私も挨拶を返したけど、途中で気付いた。
リンが手に持ってる物……
――――私の傘!?
「あ、はは…リン、その傘どうしたのよ…」
絶対バレてる!昨日リン家の前行ったのバレてる!
「家の前に落ちてたの☆」
…リンのテンションが不安だわ…。
と思ってたら、急に真面目な顔になって、
「昨日、あたしん家に来てたでしょ」
「う…」
「がっくんと話してる事、聞こえた?」
「内容までは聞こえなかったけど…」
「…そう」
昨日の事を思い出すと、まだ胸が痛くなって涙が溢れそうになった。
にしても、本当に驚いた。
私がここまでがくぽの事が好きだったなんて。
自分でも初耳である。
それに、その事に気づいてからは、更に想いが大きくなって、朝から愛おしそうにがくぽの家を眺めてしまった。
…っ!!どこの乙女よ!
もうやだ…目茶苦茶恥ずかしいじゃないっ…!
でも、リンはがくぽが好きって…、がくぽも満更じゃなさそうだったし…。
あたしは…
どうすればいいんだろう…
「―――ルカ?話聞いてる?」
「…へ?」
どうやら、リンは何か話していたらしい。
あぁ、全く聞いてなかったわ…。
「…悩み事?聞いてあげてもいいよ?」
こういう所は鋭いのよね…。
でも、心配されるのは素直に嬉しい。
話しちゃおうかな…。
――――私が、がくぽの事、好きだってこと。
「――――――って事なの!リンごめん!」
某錬金術師のようにパンッと手を合わせ、潔く謝る。
顔を下げていると、リンが慌てたように「と、とりあえず顔上げて!」と言ってきたので、私は顔を上げる。
「…う、うーん…。本当は、あたしが謝るべきなのよ…;」
気のせいか、リンの目が泳いでいる。
「どういう事?」
「あたし…、がっくんの事好きじゃないのよね」
「…は?」
え、何。私からかわれてたの?
じとーっとした視線を向けると、
「や、その、ほんとすんませんでしたっ!」
土下座しそうな勢いで謝られた。
「その、ルカが目茶苦茶鈍くって、全然全く自分の気持ちに気づきそうになかったから、ヤキモチ焼いてもらおーと思ってちょっとひと肌脱いであげちゃおうかな☆的なノリでy…や、ちょ、待って!っ…ルカ!殴る準備とか本当いいkちょやめくぁwせdrftgyふじこlp、、、」
―――――まぁ、リンに悪気が無いのは分かってるのよ。
ただ、お仕置きは大切かと思って…ね♪
「…ルカ、目が変に笑ってて怖いわよ!?」
全く反省の顔色が見られないリンが言ってきた。
そして、続ける。
「がっくんに告ってきたら?」
「………。」
「…あれ?ルカ?おーい、フリーズすんなー」
「………。」
「返事がない、ただの屍のようだ。――じゃなくて、ルーカー」
「……え?あ、あぁ、うん…?」
「おぉ、戻った…。で?告んの?告んないの?」
「…いやいや、展開早くない?」
「まぁまぁ。勢いで告っちゃえよ☆」
…そんなペコちゃんフェイスで言われても。
「…このままじゃ、何も変わらないよ?」
そう、だよね…。
「ルカが動かないと。」
…そうだよね。
「…リン、ありがとう。私、ちょっと頑張ってくるわ!」
リンの強い押しがとても嬉しく感じられた。
私は満面の笑みでお礼を言ってから、アイツの元へ向かった。
「がくぽっ!」
結局、私ががくぽを呼びとめたのは、下校中、がくぽの家の前。
学校内で堂々と告白する勇気は流石に無い…。
まぁ、ここだって白昼の下という結構恥ずかしいシチュエーションなのだけれども。
「何だ?」
「話が、あるんだけどっ…」
「?」
すぅ、と心を落ち着かせるのを兼ねて私は深呼吸してから、言った。
「あのね、私、」
「がくぽの事が、好きなの…!」
唐突過ぎたかな…ドン引きされたかな…。
怖くて頭が上げられない。
きっと顔は真っ赤。正直、今すぐ逃げ出したい…。
でも、ぎゅうっと鞄を強く抱きしめ、玉砕覚悟だもの…と、自分に一生懸命唱えながら、がくぽの返事を待つ。
と、
ふわりと私の体が鞄ごと、優しくがくぽに抱きしめられた。
「っ…!がく、ぽ?」
「俺も、好きだ」
耳元に囁かれた言葉。
それは私が待ち望んでいた言葉だった。
おずおずと顔を上げ、がくぽの表情を覗う。
耳まで真っ赤に染まっていた。
そんながくぽを見て、一気に緊張感が解ける。
「、ふふっ…」
「なんだよ」とか言いつつ、赤い顔で嬉しそうに笑うがくぽが、とっても愛らしくて。
私もつられて笑った。
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