
闇に沈む真夜中 今夜もひとり目覚める
古い店の飾り窓 私はあなたを待ちます
遠い恋を奏でて 永い夢を歌って
時を超えてさまよう 私はドルチェリアの人形
百年前に落ちた恋の
結末を探してここまできた
ガス灯に照らされた異国の闇に
過ぎてゆく幾千の幻の影
追憶のあのひとはどこに眠るの
この指を伸ばしたらとどくのですか
老いた人形遣いに 小さな命を吹き込まれて
時の塵に塗れた 私は孤独な迷い子
あの日 街は焼け落ちて
華やかな饗宴も終わりを告げた
粉々に砕け散る幼い夢と
炎の向こうへとあなたは消えた
残酷な運命の魔女に追われて
ただひとり悲しみの夜を重ねる
純化される記憶に いつしか私は閉ざされて
甘い毒に侵され 永遠の死-ホントウのネムリ-に落ちるまえに
ゼンマイの心臓が錆びつくたびに
あのひとの面影が薄れてしまう
そしてまた夜は往き闇は深まり
叶わない祈りだけ月影に舞う
琥珀色の残像 たった一度の初恋ワルツ
甘い声が残った 「いつかもう一度 踊りましょう」
闇に沈む真夜中 今夜もひとり目覚める
古い店の飾り窓 私はあなたを待ちます
00:00 / 05:28
クリップボードにコピーしました
ご意見・ご感想