そんな、さよなら
お別れの色は
透き通った翡翠の色
壊れそうなひびだらけのグラスに
注ぎ入れたミネラルウォーター
ぐしゃりと崩れて風化する心象
優しい言葉は掌から滑り落ちて消える
瞬く間に走り去る記憶の影
そんな、さよなら
これで良いんだろう?
飛び去りひとひら残す羽根
この先がなくなったあの日の夜と
永遠に鳴り止まない鐘の音
僕は硝子の目玉を擦りながら
通り過ぎた日々をどこか悔やんでいる
悲しみに色があるのなら
僕はそれで絵を描こう
隠したままの報われない想いと
旅立つ君への祝福を
愛しさは今も募るけれど
そっと傍らに眠らせて
鼓膜を震わせる音楽の
心と音符の隙間に潜り込んで
僕は星に祈るだけ
そんな、さよなら
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