真白のトリカブト

坂を駆ける足
潮に踊る風
縁側で西瓜の種を飛ばしていた

西日跳ねる町
汗に滾る胸
黄昏に光る眼を見ていた
見ていた

横顔
玉響のような微笑み
耳鳴り 蝉時雨
髪が靡く
風鈴が零れていた

この町には君が咲いていた残り香が漂っている
今更 夏の葬列を覚えている

背中に舞う土
さざめく葉の波
夕焼けに溺れた畦を歩いていた

日射し陰る道
熱を伝う声
夕立を纏った花を見ていた
見ていた

空砲
仄かに浮かぶ硝煙
微睡み 寝待月
肩が触れる
夜の火が照らしていた

この町には君が咲いていた残り香が漂っている
今更 夏の葬列が続いている

花びらが空に散った
鮮やかな景色だった
白いキャンバスを赤く染めたのは確かに僕だった
ひこうき雲が霞んだ
呼吸が熱を孕んだ
影法師が君を抱きしめた

この町には君が揺れていた海岸が佇んでいる
今更 夏が痛む

この町には君が咲いていた残り香が漂っている
今更 夏の葬列を覚えている
あれから君が揺れていた季節だけ巡っている
今更 夏の葬列が続いている
今更 夏の葬列が続いている

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

真白のトリカブト 歌詞

閲覧数:287

投稿日:2024/08/05 18:08:58

文字数:470文字

カテゴリ:歌詞

クリップボードにコピーしました