(イントロ)
 昔々空を埋め尽くすほど
 たくさんのリョコウバトが飛んでいました

(1番)
 リョコウバトは群れとなり旅をする
 広大な大陸の森から森へと
 一斉に飛べば空は暗く変わる
 あんなにいたのにもうどこにもいない

 大陸にやってきた人たちが
 次々と鳥たちを狩って行った

 瞬く間に鳩の群れは減って行き
 空が暗くなることもなくなっていく

 それを気にした人はごくごくわずか
 どうせどこかにたくさんいるだろうと
 愚かな人たちは知らなかった
 一年に一つしか卵を産まないということ

(2番)
 ようやく人はおかしいと気づいたよ
 けれどももう手の施しようなんてない
 空からリョコウバトは姿を消した
 籠で生まれた一羽だけを残して

 籠のなかあの子は問いかけてた
 どうしてわたしは一人きりなのと

 最後の一羽はずっと籠のなかで
 仲間と飛ぶこと知らずに死にました

 もしも鳥にも楽園があるのなら
 あの子を他の子たちと飛ばせてあげて
 誰にも邪魔されない広い空
 全部全部あの子たちだけのものにしてあげて

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

曲つきました【あの子たちのいない空――リョコウバトへのレクイエム――】

 こちらもしろやぎRさんの『難クラシック系』に応募したものです。同じようにボツになったのですが、思い入れのある歌詞なので、こうして掲載します。こちらも作曲者様募集中です。
(コンクリートエンジェルのような、綺麗なピアノの曲がいいなあ……)

 この歌詞を、書くきっかけになった本を書いたロバート・シルヴァーバーグ氏に捧げます。
 もしこの詞に曲がついたら、その時はアラン・エッカート氏の本を買いたいです。

2014/03/13追記
 オカメPことかるび太郎さんが、この詞に曲をつけてくれました。
 素敵な作品に仕上がっております。

閲覧数:554

投稿日:2014/03/13 00:18:54

文字数:467文字

カテゴリ:歌詞

  • コメント1

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  • 苺ころね

    苺ころね

    ご意見・ご感想

    僕は動物がすきなのでリョウコバトのことは知っていました。
    動物は人間が影響でどんどん死んでいきますね・・・

    また、鳥類では「ドードー」というのがいました。(知ってるかもしれませんが)
    彼らはモーリシャス島と言う無人島に住んでいた固有種でした。

    やがて大航海時代が始まり、人々は島に上陸し、ドードーを見つけました。
    ドードーは足が遅く、また飛ぶこともできませんでした。
    また性格も非常に人懐っこかったそうです。
    そして肉がおいしいということもあり、次々と捕らえられ、なんと百年足らずで絶滅しました。

    ・・・なんというか、悲しいですよね・・・

    2011/12/23 00:53:04

    • 目白皐月

      目白皐月

      納豆御飯さん、こんにちは。メッセージありがとうございます。

      この百年の間に滅びてしまった種は百に届くそうです。私がこの詞を書くきっかけとなったシルヴァーバーグ氏の言葉を引用させてもらいますと「一つの種が滅びるごとに、我々はそれだけ貧しくなる」のです。
      http://www.youtube.com/watch?v=iklTV6Yl1uE
      http://www.youtube.com/watch?v=NNmTLLmhxFQ&feature=related
      こういう動画を見ると悲しくなります(このうち、幾つかの種は再発見されたようですが(コメントや動画に書き込みがある)、ごく僅かです)

      ドードーのことは知ってますよ。シルヴァーバーグ氏の本の表紙もドードーなんです。原題も "The Dodo, The Auk, and the Oryx" ですし。
      そしてこのタイトルの2番目に据えられている Auk ことオオウミガラスもドードーと同じように飛べず、足の遅い鳥で、美味しかったために食べつくされてしまいました。
      この鳥のことはアラン・エッカートという作家さんが小説にしていますが、シルヴァーバーグ氏の著作でどんな絶滅を迎えたかは知っていたのですが、それでも私は、この本を読んだ時正直吐くかと思いました。それくらい中身がきつかったです。

      ドードーもオオウミガラスも、私が生まれるずっと前に滅びてしまいましたが、その種の終焉を思うとやりきれません。

      2011/12/24 01:18:23

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