『大切なものを失う』


その辛さを知った。

その悲しさを知った。



そして、一緒に過ごした時間を思い出すと涙が溢れた。

もっと笑顔を向けてあげれば良かった、と…。




とても辛く、切ない…








これが







   "ココロ"













「お父さん、こっちこっちー!」


(これは…私…?)


「リン、そんなにはしゃぐと転ぶぞ?」


(こっちは…あの人…)


「だーいじょうぶ!私はそこまでドジじゃないですよー!」


マリーゴールドが咲き乱れる花畑。
そこには『生きてる私』がいた。
無邪気にはしゃいで走る『私』

そしてあの人が画面に近づくと、映像の高さが変わった。

カメラを持ったのだろう。


「ほら、リン。こっちを向いてごらん。」


「ちゃんと可愛く撮ってね、お父さん!」


(お父さん…)

私はその言葉が胸にちくりと刺さるのを感じた。


「私ね、いつか大きくなって結婚したら、こんな風にお父さんの大好きなマリーゴールドに囲まれて暮らしたいな!」


「マリーゴールドの花言葉は健康だからな。きっと良い家庭が出来るよ。」


「…でもね、お父さん知ってる?マリーゴールドの花言葉は他にも嫉妬、絶望、悲哀があるんだよ…?」


「リン…」


「…お父さん、私が他の男の人と仲良くしてても嫉妬しちゃダメだよ!」


笑いながらそう言う『私』

『私』は知っていた。
『私』は病に侵されていた。
それを冗談でごまかしていたのだ。


「リン、お父さんは常にお前の幸せを考えているんだよ?だから嫉妬なんてしないさ。…少し寂しいがな」


姿は見えないが、温かい声が聞こえた。


「えへへ…お父さん、大好きだよ!これからもずっと見守っててね!」




そこで映像は途切れた。


(これは『私』とあの人の思い出…)

(私は…)


その時、何かが零れ落ちた。


(これは何…?)


どんどん止まる事なく溢れてくる。


(これは…涙…?)


身体の奥底からたくさんのものが溢れてきた。


(…あぁ…これがあの人の求めてた"ヒトノココロ")

(どうして今なの…もっと早く…あの人に…)


そう考えただけで、さらに涙が溢れた。


(私は…私は…)


私はあの人に謝らなければ…感謝の気持ちを伝えなければ…


(この歌を届けたい…あの人に…)










「ありがとう…お父さん」

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

ココロノカケラ[小説]

トラボルタ様から許可を頂けたので思い切って載せました…!


とゆーわけで、以前ココロに影響受けて勢い余って書いた小説を上げます!
相変わらず短いですが(笑)



トラボルタ様、ありがとうございました!

今年も応援してます!



5/6
タイトル変更

閲覧数:173

投稿日:2009/01/04 23:20:10

文字数:1,037文字

カテゴリ:小説

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