十六夜の空を鳥がゆく
銀の翼を伸べて
黒い森の上ヒカリの中、飛ぶことを許して、ねえ
眠りを邪魔しないから
甘くたゆたう月影で
開く露草の花はおくれた者のため?
夜風に吹かれながら、白い丘で
ひとり待っているの
夜光虫が思い出を侵してゆく
何もかもが眠る世界の中で
眠れない私の歌を聴いて下さい
すべての愁いを忘れ
今、祈り届ける あなたに。
星雲(ほしぐも)を渡る舟に乗って
今夜、月を迎えに行くの
十六夜の空を鳥がゆく
ガラスの羽音を撒いて
真空の大河を渡るのは、はるかな星団(ほし)のレール
どこかで汽笛が鳴る
面影を追って飛び出したその宇宙(そら)は
もっと孤独だったの?
通りすがりの花園でひとり眠る
君を眺めていた
ああ、カンパニュラの花は青い三角標
渡り鳥のために今宵も火を点す。
『迷わないでおくれ』
すべての糸を繋ぎ
今、子守唄(うた)を届ける あなたに。
水素の透き通る天海を飛んで
今夜、月を迎えに
すべての星回りと縁(えにし)を
愛(かな)しくても感謝せずにいられないわ
眠りが覚めるまで、あと少し
月虹(げっこう)の中を飛ぶ
明日もしそこを訪れたら、
笑って迎えてくれるでしょうか?
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