影踏み　踏んだ　帰り道
影踏み　踏まれ　捕まった
おやおや　あの子は　何処へ行った
誰も知らぬと　小夜なら告げる

「御先　真っ暗　見えりゃせん」
烏は泣いて叫ぶ

とおりゃんせ　おお怖き　祝い道
七つ詣での次の朝にお迎え来る

赤い靴の子　女の子
青い目をした　異人さん
仲良く歩いた港町で
御舟に乗って鳥居をくぐる

「光　何処じゃ　見えりゃせん」
烏は泣いて問うた

恐々と行きなされ　参られよ
先の事を気にせずも
帰る道などありゃせんわ

とおりゃんせ　誰そ彼の　細道か
御手手　振って　小夜なら
烏　目玉　踏まれた

かげふみ　ふんだ　かえりみち
かげふみ　ふまれ　つかまった
おやおや　あのこは　どこへいった
だれもしらぬと　さよならつげる

「おさき　まっくら　みえりゃせん」
からすはないてさけぶ

とおりゃんせ　おおこわき　いわいみち
ななつもうでのつぎのあさにおむかえきたる

あかいくつのこ　おんなのこ
あおいめをした　いじんさん
なかよくあるいたみなとまちで
おふねにのってとりいをくぐる

「ひかり　どこじゃ　みえりゃせん」
からすはないてとうた

こわごわといきなされ　まいられよ
さきのことをきにせずも
かえるみちなどありゃせんわ

とおりゃんせ　たそがれの　ほそみちか
おてて　ふって　さよなら
からす　めだま　ふまれた