環状線に沿って
今日は端までいく
降りた乗り換えて
澄んだ 道のむこう

A
帰り道を蹴って
炭酸 揺らすグラス
見たくない話
本当の終点駅

境界線去って
心臓 弄る指
幼い善意
奥底で消してく

B
ねえ 君はもう着いたかな
私はシートの中さ

S
雨が降っている
雫伝うグレイの背景に
歩道橋の上
こちら向いた君が呟く
「雨」

A
滑る視線 いつか
遠く 見てる瞳
二人でいても
一人でいるみたい

帰り道なぞった
後世 還らぬ人
変えた 思考回路
先の見えない今

S
雨が降っている
眺め泣いた騒つく空模様
歩道橋の上
歩く君と手を繋ぎながら

C
ねえ 空いた電車 揺られて
すぐ 着いた私 その日から
もう 帰ることを 夢見て
いつまでも 泣いていたような

ねえ 君が もう少しだって
近づく終わり 寂しそうに
眠る 私の横顔を
愛しそうに 撫でていたような

S
雨が降っている
雫冷えた指先を投げ出す
歩道橋の上
見上げ君と二人呟く
「晴」

雨が降っている
眺め凪いだ水たまりに足を
歩道橋の上
一人立って君に右手を振った

A
環状線に沿って
今日は帰り道を
降りた乗り換えて
虹彩 終点駅