♪風音キクヨ目線
「行ってきまーす…、眠…」
「隊長、いってまいります!」
「気をつけてくださいね~、いってらっしゃいませ」
シヲちゃんとケイくんが仲良く出かけるのを見送っていつもの様に掃除機に手をかける
「おキク、いつも悪いな~」
ソファーに寝転がったデネさんと目が合った
「いえいえ。これぐらいしかお役に立てることがないので」
「アタシ役に立つことなんもしてへんけどw」
「デネさんはみんなのリーダーみたいなものですわよ^^ラビちゃんとかが喧嘩してるときすぐ仲裁に入ってくださります」
「いやぁ~、たまたまみたいなもんやねんけど…」
そう言って頭をかくデネさん。照れてらっしゃる時の癖ですわね
「姉貴ー!姉貴ー!!」
慌ただしく階段を駆け降りてくるのは最近お母様が連れていらしたアルさん。実は同い年ですが、作られたばかりでまだ少し子供っぽいところのある元気な方です
「どしたん?そーぞーしぃなー…」
「部屋に虫がいたッス!!」
「は?」
「なんて名前なのか教えて欲しいッス!」
「えーと…どんなん?」
「黒くて艶々していて楕円形で、親指ぐらいの大きさッス。…姉貴?黙り込んでどうしたんスか?」
「………殲滅しよか」
「え!?どうしたんスか?ちょ…!!」
アルさんの襟を掴んで久しぶりに真剣な顔でデネさんは新聞紙片手に2階に行かれました。…デネさん、あの虫だけは嫌いなんですのよね。
デネさんと入れ替わるように2階から降りてくる方が一人
「…ぉはよ、ございます」
「おはようございます、テルくん」
さっき起きたような顔のテルくん。ふらふらと食卓につくと置いてあったおにぎりをひとつ手にとった
「あ、おキクさんごめん。朝ご飯俺遅れて…」
「いいんですのよ。テルくんはきっと疲れて寝坊してくると思ってましたから♪テルくん用のおにぎりですから全部食べてくださいね」
「お見通しとかw流石」
軽く微笑えんだ後、ふと思い出した様に私を無言で見つめるテルくん
「どうかされましたの?」
「え…ぁ…その、昨日のVC…見たよ、な?」
「えぇ。みんなで見ましたわ~^^観客席映った時テルくん探したりしてたんですのよ」
「あの…、一番最初に出てきたヤツ…どう…思った?」
「え?あぁ、オトラクさんですね。声のイメージ通りの方でした。デネさんとラビちゃんが特に喜んでいましたわ^^」
なんだか複雑な表情のテルくん
「あの…私何か悪いこと言ってしまいました?」
「え?いやなんでもないよwあ、そうだ!帰りにお土産で羊羹買ってきたから」
「ホントですの!?」
取ってくる、と言って部屋に戻るテルくんはさっきと違ったホッとした表情でした。
あ、羊羹をいただけるなら久しぶりにお抹茶を点てましょうか♪それなら早く掃除を済まさないといけませんね。
今日はとてもいい一日になりそうですわね~
プルルルルルル…
電話?誰からでしょう…
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