正体はペシミストと猿

代り映えのない
雨が降る
自我は消失
歩くだけ

いつもこうだ
意味もなく
心臓を動かす
それだけだ

この世界から
跡形もなく
逃げ出せたら
どれほどか

その瞬間
呼び声がした
ふと目をやると
「何か」が見ていた

触れてはいけない
見てはいけない
そんな気がした
それでも俺は

湧き上がる衝動の
渦に飲まれて
そしてついに
猫は殺された

奇怪　カオスの渦中
されども足は止まらずに
「バイタル　システマティックなり」
強欲のギア　口を開く

異界　薫る害虫
彼らの解は 踊ること
カイゼル　紳士状の猿は
俺を見ながら　口を開く

「そばだてるべし、踊るべし
一つの希望を探すべし
靴の消失を押し止めよ
さもなくば永遠の住人となろう」

不可解　パルスの左右
耳を貸すのは　ご法度
喰らい尽くす　自らのシナプス
うごめく眼　直視する

不快　弾む臓物
腕を見せれば　走馬灯
吐いて吸う　細かな葡萄達が
煤をけぶらせ　音を放つ

「いきはよいよい　かえれはしない
のうずいの　らんすうにひをつけ
きけつ　このよにせいをうけなおし
えいえんを　おうかせよ」

歩く　止まらぬ鼓動
永遠を謳う　シュールレアリスト
さあ　愚者愚者になるまで踊れ
不変のエデンで罪に溺れてしまえ

叫ぶ　染まらぬ思想
永遠を嫌う　狂うペシミスト
さあ　有耶無耶になるまで走れ
具象の喧伝の海に溺れてしまえ

未開　存在する虚無
夢の世界の　住人は
踊り狂う　アイデンティティなどは
端からないと　嘲笑う

死体　ループする夜
覆水も盆に　返れる
「バイタル　システマティックなり」
虚空の声は　残響する

逃げ惑うか　もしくは甘受
選択の余地は　もはや無い
いずれを選べど絶望のみ
さもなくば永遠の住人となろう

笑う　収らぬノイズ
際限ない永遠を　胸に誇り生きよ
さあ　この極楽に落ちるのだ
「永遠の夢幻を理解し続けよ」

破滅　止まらぬ血潮
永遠を嫌う　シュールレアリスト
さあ　プラズマの電撃で
消え去り自責の念に　蝕まれてしまえ

走る　止まらぬ鼓動
永遠を謳う　シュールレアリスト
さあ　愚者愚者になるまで踊れ
不変のエデンで罪に溺れてしまえ

叫ぶ　染まらぬ思想
永遠を嫌う　狂うペシミスト
さあ　有耶無耶になるまでもがけ
具象の喧伝の海に溺れてしまえ