ねえ、聞いていい？
あなたはどうして私を選んだのかな？
代わりになる美しい花は
いくらでも咲いていたでしょう

ねえ、聞いていい？
私はあなたの魅力を引き出せてるかな？
どんな石でも磨けば綺麗になると
あなたは教えてくれた

この部屋で何度 時計の短針が
回りきるのを数えたのだろう？
何も無かった私を照らして
あなたが灯してくれた温かな光

「ありがとう」じゃ足りなくて
でも言葉に出来なくて
この気持ちの名を教えて？
ありふれたような日常は
変わらないけれど
ねえ いつまで居られる？

ねえ、今 しあわせ？
重い瞼 開けながら


ねえ、聞いていい？
あなたは今でも私を選ぶのかな？
歩んできた幾つものルートは
楽なものだけじゃないけれど

ねえ、聞いていい？
私はあなたに そぐうもの で あるかな？
解けた糸も　また繕えばいいと
あなたは教えてくれた

この部屋が何度 黄昏の赤に
染まりきるのを眺めたのだろう？
何も無かった私を色付け
あなたが見せてくれた鮮やかな世界

「ありがとう」じゃ足りなくて
でも言葉にしたくて
この気持ちの名を教えて？
ありふれたような言葉しか
紡げないけれど
ねえ そばにいてもいい？

ねえ、今 しあわせ？
欠伸 はっと移しながら

空を泳ぐカイトのように
初めて聞く未来のように
鏡越しの自分のように
巡りくる風のように
あなたが今笑うから
あなたが今話すから
あなたが今生きるから
あなたが居たから

この部屋に何度 私の声が
響き渡るのを聞いただろう？
何も無かった私を掴んで
あなたが開いてくれた灼かな未来

「ありがとう」じゃ足りなくて
でも言葉にしたくて
この気持ちの名を教えて？
ありふれたような音でも
届けていたいの
ねえ 聴いてくれますか？

ねえ、今しあわせ？
閉じた瞼 撫でながら

ねえ、今 しあわせ。
明日もまた はじめよう