金の稲穂　波打ち
赤蜻蛉が泳ぐ

山の木々の　錦絵
織り成す秋の風

縁の糸　結んだ
夕暮れ道の駅

あなたの目に　映った
真綿の鱗雲

淡く揺れる　心なぞり
風を撫でる　指先
朧灯里　眺めて
時は足を止める

風に戯れる　川の水清かに
浮かぶ笹船は　夏名残連れてく
囃子歌を口遊み　あなたの唇が微笑む

猫じゃらしが　そよいで
秋風に寄り添う

北斗星が　示した
空の北透明

淡く香る　あなたの髪
風を愛でる　眼差し
音に変えた　言葉を
秋の風が運ぶ

風に彷徨った　鈴虫の歌声
浮かぶ微笑みは　茜色　仄かに
つないだ手を密やかに　引き寄せて交わした心音を

風に　戯れる　長い髪　抑えて
浮かぶ　微笑みは　秋風に　揺蕩う
つないだ手を伝わった　あなたの体温に微笑む


＊ひらがな＊


きんのいなほ　なみうち　あかとんぼが　およぐ

やまのきぎの　にしきえ　おりなす　あきのかぜ

えにしのいと　むすんだ　ゆうぐれみちのえき

あなたのめに　うつった　まわたの　うろこぐも

あわくゆれる　こころなぞり
かぜおなでる　ゆびさき
おぼろあかり　ながめて
ときわあしおとめる

かぜに　たわむれる　かわのみず　さやかに
うかぶ　ささぶねわ　なつなごり　つれてく
はやしうたお　くちづさみ
あなたの　くちびるが　ほほえむ

ねこじゃらしが　そよいで　あきかぜによりそう

ほくとせいが　しめした　そらのきた　とうめい

あわくかおる　あなたのかみ
かぜおめでる　まなざし
おとにかえた　ことばお
あきのかぜが　ほこぶ

かぜに　さまよった　すずむしの　うたごえ
うかぶ　ほほえみわ　あかねいろ　ほのかに
つないだてお　ひそやかに
ひきよせて　かわした　こころねを

かぜに　たわむれる　ながいかみ　おさえて
うかぶ　ほほえみは　あきかぜに　たゆとう
つないだてお　つたわった
あなたのたいおんに　ほほえむ